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人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2017/08/08号

コラム NPO淘汰の時代(協働から競争入札の時代へ)

by 野田さえ子

残念ながらこれが現代のキーワード。
だって、みんな(支援者も被支援者も)お金に困っているから。

NGO同士のネットワーク型のNGOの存在意義が問われています。SNSやリモートコミュニケーション、バーチャルだけどリアルなコミュニティの存在で、情報提供・相談事業や人材育成事業といった、これまでと同じ事業を行っては生き残れない状況になると思います。

また、往々にしてNGOは企業とは異なり、経営者(マネジメントする人)の人数が多い。それにあわせて意思決定も複雑で、事業の数も多い。ついでにいうと、事務方の負担は非常に多いなぁと予想されるのですが、財務諸表に表れている人件費の額に驚かされます。(つまり低いということです)。

新しい社会情勢に応じて、ミッションを見直し、事業をばっさりと整理する必要があるのだが。合議制でそれができるのでしょうか。

最近、非常に感銘を受け、勉強になっているのがHub Tokyoを運営する槌屋詩野さんのコラムです。社会的な企業のマネジメントを考える上で、大変参考になります。
http://impactcompass.org/skill-set-for-working-social-enterprise/
http://impactcompass.org/road-to-conscious-company/

このHUB Tokyoをはじめとして、様々な社会的事業体が生まれています。

世の中には、社会貢献やその経験から自己成長を期待する若者や第二の人生踏み出し組、あるいは新しいシェアエコノミーでフレキシブルなワーキングスタイルを生きている人がいます。また、企業にも、社会とつながり、新たな価値を生み出すために社員の成長機会を探しているところもあるでしょう。また、社会とのリアルな協働を行うための接点を求めている教育機関(小中学校、高校、大学)も現実多いです。

ハブ型のNGOの場合、社会の流れを大きくとらえ、こうしたアクター同士のニーズをつなぎあわせるメカニズム、もっとアクションベースで、企業、学生、公共団体、個々人がつながる仕組みづくりを構築することが必要になっているのではないでしょうか。また、補助金の申請、事業実施、情報提供、ファンドレージングといった仕事から、おそらく地域社会の各アクターのニーズの聞き取り、ニーズのマッチング、サービスの開発といった「営業」が求められているのではないかと思います。

東京近郊では、こうした動きに即応している事例が結構あるように思えます。例えばサービスグラントというNGOが生まれています。
http://www.servicegrant.or.jp/

NGO関係者は、他のNGO団体の事業報告と計画、財務諸表をよく読んでみるとよいと思います。
今、何で経営をなし、今後、何をもって経営にあてようとしているかが間接的にわかります。

この時代を生きぬくには、お金の流れをきちんとおさえること。

結局のところ、その組織に存在意義があるか、つまり社会になんらかの価値を提供しているのか(事業による収入であっても寄付金や会費による収入であっても)が、なんだかんだといっても最終的に大事だと思います。

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